2021年上半期ヒット曲の歌詞でよく使われていたワードとは?AIで分析してみた

作詞上達への道

1年前の2020年上半期の歌詞は“世界”が多い?

国語辞書編纂者の方が2020年上半期ヒット曲の「歌詞」の傾向を分析したという、面白い記事を読みました。
国語辞書編纂者の方曰く2020年のヒット曲は「世界」というワードが多く使われているとのことです。記事ではこのように書かれています。

飯間浩明(以下、飯間):2020年のヒットソング51曲の歌詞を読んで感じたのは「世界」という言葉が多いということです。
たとえば、Official髭男dism「I LOVE…」の<変わり果てた世界>、Uru「あなたがいることで」の<もしも明日世界が終わっても>、家入レオ「未完成」の<いっそ 世界から 消し去っていいのに>などですね。
実際に歌詞で使われている単語のランキングを見ても、2001年には「世界」は61位だったのが2020年には34位になっています。私の印象は数字でも裏づけられています。

2021年上半期の歌詞の傾向は? 簡易分析してみた

では、2021年上半期はどうなのでしょうか。分析対象となるヒット曲10位をみてみたいと思います。

まずは2021年上半期ヒット曲を改めて列挙

<1位>ドライフラワー:優里

<2位>炎:LiSA

<3位>Dynamite:BTS

<4位>夜に駆ける:YOASOBI

<5位>うっせぇわ

<6位>虹:菅田将暉

<7位>Step and a Step:NiziU

<8位>怪物:YOASOBI

<9位>廻廻奇譚:Eve

<10位>群青:YOASOBI

AIツールでの簡易分析の結果は?

国語辞書編纂者の方のように詳細な分析はしませんが、AIツールで2021年上半期のヒット曲1位〜6位までを分析して見ました。

文字の大きさが出現頻度が高いワードです。ちなみに5位にランクインした「うっせぇわ」を含めると「うっせぇわ」が浮かび上がっていますので、こちらは除き「虹」までを含めてみました。
君と僕はやはりどの歌詞でも使われています。

今回注目したのは「言葉」というワード

データ上だと、言葉というワードが歌詞で比較的よく使われているようです。

詳細の歌詞を見てみます。

ドライフラワー:優里

「私ばかり」なんて言葉も

優里 – ドライフラワー / THE FIRST TAKE

炎:LiSA

君の言葉 (君の言葉)

LiSA 『炎』 -MUSiC CLiP-

夜に駆ける:YOASOBI

触れる心無い言葉うるさい声に

君の為に用意した言葉どれも届かない

釣られて言葉にした時

YOASOBI – 夜に駆ける / THE HOME TAKE

虹:菅田将暉

どんな言葉でも足りないよな

「ありがとう」に代わる言葉 ずっと探していたんだ

菅田将暉 『虹』

最近の歌詞は聴き手に高い解釈力が求められ、もはや「現代詩」

また、国語辞典編纂者の方曰く、最近の歌詞はもはや「現代詩」のように高い解釈力が求められるとのことです。

飯間:難しい歌詞が多くなりましたね。これは2020年上半期の特徴というより最近の音楽の傾向ですが、歌詞が表現しようとしている状況や世界を読み取るためには、聴く人に高い解釈力が求められます。

LiSA「紅蓮華」の<泥だらけの走馬灯に酔う こわばる心>というのも、すぐには分からないですね。

この歌が使われているアニメ「鬼滅の刃」では走馬灯を見るシーンが出てくるようですが、私はそれを知らないまま、「過去の汚れた記憶が走馬灯のように巡るのだろう」と解釈しました。それほど間違ってはいないと思いますが……。

このように、アニメやドラマを知らないと、「この語句は何の象徴だろう?」と謎めいて感じる歌は多くなっています。

現代のポップスの歌詞は、もはや現代詩ですね。詩を読むことに興味を持たない人は多いですが、そういう人でも、実は、ポップスの中でたくさんの詩に触れているわけです。聞き流すのはもったいないですね。

是非、現代詩を書かれている方、読むのが好きな方も音楽での歌詞の魅力を感じとっていただければと思います!

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